中京海運株式会社

最新情報・コラム

コラム
2022.05.30

通関前の内容点検について

すべての輸出入貨物は必ず「保税地域」を通過します。

外国から輸送されてきた輸入貨物に税金(関税や酒税・消費税等)が課され、その税金を支払ったのちに税関から輸入許可を受け、通関が完了します。通関が完了するまでには時間がかかるため、その輸入貨物の一時保管場所として当社のような保税蔵置場(保税倉庫)が存在しています。保税地域は日本国内でありながら外国のような扱いを受けるため、未通関の 輸入貨物を「外国貨物」と呼んでいます。

そのように保税蔵置場は特別な場所ですので、その蔵置されている貨物に対して誰もが気軽に簡単に扱うことができず、作業内容によっては税関長の許可等を受けなければなりません。

今回のコラムでは、当社の保税蔵置場(保税倉庫)で必要に応じて行っている「内容点検」をクロ-ズアップします。

当社が行う内容点検とは

・輸入貨物の明細が不明なとき(特に個人向けの貨物を輸入通関するとき)

名古屋港到着後に貨物が搬入されている保税地域(コンテナヤードや保税倉庫)から当社の保税倉庫へ貨物を一旦移動させて、貨物の数量確認、材質、原産地等の確認を行います。

・中古自動車やプレジャーボートを輸入通関するとき(車内や船内に貨物を置きやすいため)

名古屋港到着後に貨物が搬入されている保税地域(コンテナヤード)から当社の保税倉庫へコンテナを一旦移動させて、コンテナから自動車やボートを出してから、通関書類に記載されている車体番号や船体識別番号と現物の番号が一致しているかどうかを確認します。また、車内や船内に通関書類に記載されていないプレゼントのようなものがないか、スプレ-缶など他法令に引っかかるようなものがないかを確認します。

   梱包されたボートの外観                         ボート内部

・税関検査時に税関職員より「内容点検」を求められたとき

輸入申告後に税関検査になり、その検査時に申告と一致しない貨物や申告以外の貨物(申告外物品)が発見されたり、原産地を偽った表示または誤認させる表示(原産地誤認表示)がされている貨物が発見されたときに、当社の保税倉庫へ一旦貨物を移動させて、貨物の数量確認や内容確認を行います。また原産地誤認表示については、「その他の手入れ」としてその表示を抹消したり(黒のマーカ-で塗りつぶしたり)、そのタグを取り外したり、外国製のラベルを貼ったりして訂正します。

輸入できない貨物が発見された場合は、貨物を現地へ積み戻しをするか、国内で滅却することになります。

このように内容点検は保税倉庫へ貨物を一旦移動させるなどの余分な費用が発生してしまいます。輸出地では問題なく輸出通関できたからといって、その通関書類で輸入地でも簡単に輸入通関できるとは限りませんので、不安な場合は事前に通関業者へご相談ください。


参考:税関HP「保税地域の概要」

お問い合わせCONTACT

中京海運へのご質問・お問い合わせ等は、下記の電話またはお問い合わせフォームよりお願いいたします。

052-201-7777 (総合受付)
受付時間:9:00〜17:30