経済のグローバル化や世界的な貿易の自由化が進むにつれ従来の二国間のみの貿易ではなく、
輸出者と輸入者の間で第三国の仲介者が売買を取り仕切る三国間貿易が増加しています。
今回はこの『三国間貿易』についてご説明いたします。
『ん~、三国間、、、いまいちピンとこないな』 と思われるかもしれません。
二国間の貿易とは違い「お金」と「商品」の流れが異なるので難しいそうですが、整理して考えてみれば、案外そうではありません。
具体的な例を挙げて解説します。
日本にいるあなたが「商品」を買って、その「商品」を売る仲介商社A社とします。
あなたは「商品」を中国上海の外注工場B社へ製造発注します。(輸出者とします)
あなたの顧客はタイのバンコクC社とします。(輸入者とします)
商流(「お金」の流れ)
『A社⇒B社』 『C社⇒A社』
仲介商社A社は中国工場B社から「商品」を買い、A社はその仕入価格に自社のマージンを上乗せして、タイのC社へ販売します。
物流(「商品」の流れ)
『B社⇒C社』
「商品」は中国上海からタイバンコクへ直送します。
下の図のようにしてみると「お金」と「商品」の流れが理解しやすいと思います。
<ポイントその1>
「商品」を買って、その「商品」を売る仲介商社A社であるあなたにとって気になることは、
➀中国工場B社からの仕入価格をタイの顧客C社に秘密にしなければならない!
②中国工場B社とタイの顧客C社がお互いの存在を知ってしまうと、今後はB社とC社が直接取引されてしまう可能性があるため、お互いの存在を秘密にする必要がある!
『ん~、なんか秘密がバレてしまわないか心配だな~インボイスやB/L等の書類はどうすればいいのかな?』
と思われるかもしれませんが、下記の図のようにインボイスとB/Lをスイッチ(差し替える)ことで解決できます。
➀インボイス
(あ)中国工場B社が日本仲介商社A社へ発行するインボイス = A社の仕入価格です。
中国の輸出通関にも使用します。
(い)日本仲介商社A社がタイ顧客C社へ発行するインボイス = A社の販売価格です。
タイの輸入通関にも使用します。
② B/L
(う)フォワーダーが中国工場B社へ発行するB/Lです。
SHIPPERは中国工場B社、CONSIGNEEは日本商社A社になります。
積地(POL): SHANGHAI 揚地(POD):BANGKOK
(え)フォワーダーが(う)のB/L回収後に日本仲介商社A社へ発行するスイッチB/Lです。
SHIPPERは日本仲介商社A社、 CONSIGNEEはタイ顧客C社です。
積地(POL): SHANGHAI 揚地(POD):BANGKOK
<ポイントその2>
「商品」を買って売る仲介商社A社であるあなたが、この商売のイニシアチブを取り、物流をスムーズにコントロール出来るように、あなたのA社がB社と取り決めする貿易条件をFOB等にし、A社とC社との貿易条件はCIF等の『あなたが海上運賃を支払う』条件にして『配船権』を得て、あなたが指定するフォワーダーと協働して進めていくことがポイントです!
いかがでしょうか? 上記はよくある基本的な三国間貿易の一例を解説してみました。
(※商品代金の決済がL/Cの場合は、B/Lの記載内容をL/Cの内容に合わせる必要があるため、上記の通りではありません。)
三国間貿易のお問い合わせはこちら⇒中京海運㈱国際輸送部 電話052-201-7774まで!